5月8日(土曜日)座間市東地区文化センターで南栗原地区の有志の方が企画した「市民防災・減災講座」の活動を支援をしてきました。
5月の連休明けのほっとした土曜日でした。天気は朝からすばらしい五月晴れ・・・あまり晴れてしまいますとなかなか参加者の足が遠のくというのが悩みでしたが幸いに地域のつながりがしっかりと出来ているようで約20名の方々とZSVNメンバー6名のスタッフが参加してくれました。
この有志の方の企画は、私たちがお手伝いさせていただき今回で3回目です。
顔なじみの方もいました。今回は男性諸氏の参加が多く、企画されたOさんの努力が実ったようです。どうしても地域の自主企画というのは、女性の方々のほうが熱心で男性の方々が主体的に動くという姿が見られなくて残念な気持ちでしたがOさんの粘り強い活動が実を結びつつあります。
今回の企画に当たってOさんから希望で実習科目を入れて欲しいというリクエストもありました。そこで、 実習科目は、座間市から「非常食:アルファー化米」をいただき、非常食の炊飯体験と私たちざま災害ボランティアネットワークが取り扱いを始めました「ハイゼックス炊飯袋」の説明をさせていただくことにしました。
被災が起きたとき初動の対応が終わり一段落したときに助かった人々に次の段階への取り組む力を持たせるためには「炊き出し活動」が大事だといわれています。人間はお腹が空いているとつい「イライラ」したり小さなことで言い争いになりやすくなります。そのようなときにちょっとした食事が提供されることで「助かった!!」「よし!!生き抜くぞ」という気持ちになるものです。
そのようなときのための手順を勉強していただきました。市が備蓄している「五目御飯」の50人パックを使いました。お湯さえあれば50人前の「五目御飯」が出来ます。何人かの参加者の方々に体験していただきました。一度でも体験しておくことでいざというときに「一歩を踏み出す勇気」が出てくるものです。一通りの説明が終わって、米や具材にお湯を入れてダンボールの中にしまってから授業に入りました。(授業中にご飯が出来てしまいます)
また、ワークショップとしては、東京大学の目黒教授が開発された通称「目黒巻」と呼ばれているイメージトレーニング・ツールを使わせていただき災害・・・特に大規模な地震が起きたときの行動について参加者一人ひとりに書き出してもらって心の備えにつなげようと考えました。
講座では最初に、座間市を中心とした「災害環境」について説明しました。
神奈川県が昨年の夏に発表した県下における主要想定地震被害想定の数値を見てもらいました。私たちを取り巻く地震被害の危険確率についても具体的に話を進めました。今後30年間のうちに大規模地震に遭遇する確率は、私たちが日常生活に中で遭遇する交通事故や犯罪の確率と比較してもかなり高い確率になっていることを知ってもらいましした。
いよいよワークショップ・・・・目黒巻の開始です。
今回の想定は、いわゆる首都直下地震と呼ばれる「東京湾北部地震」を想定しました。
この地震はマグニチュード7.3 座間市でも震度6弱の揺れが想定されています。全員の方々に資料として震度階級表を配りました。いわゆる旧耐震基準の住宅では倒壊するケースも出てくる力を持った地震です。今回、参加したメンバーの方々が住まわれている地域は、県の揺れマップを見てもかなり揺れの増幅率が高い地域ですので危険率は高い地震だと思います。
この種の講座で一番苦労するところは、「危険だ危険だ」と煽ることがないようにすることだと思います。客観的な情報を提供して参加者の方々がそれぞれ自分の住んでいる地域の特性、自分の住んでいる住宅の耐震の度合いを確認する・・きっかけになる範囲での話しにしなければならないと考えます。
地震と言うのはある意味では「来てみなければわからない」という性格のものです。したがって断定的な話し方では「恐怖を与える講座」になってしまいます。
私たちは、活動の中で常に言い続けているキーワードがあります。それは、「どのようにしても地震を防ぐことはできない。」しかし、「備えれば地震からの被害を少なくすることは出来る。」ということです。
市民である私たちの啓発活動の範囲は「減災活動」だということだと思っています。
「防災」という用語も現実的ではないと感じます。
災害を防ぐというのかもしれませんが・・・予報で対応できる「風水害など」に対する防災行動は可能でしょうが、地震災害で「防災」という行動は出来にくいと考えています。
最近の地震発生危険率の高まりから見ても「防災」では対応できないステージに入っていると考えます。私たちは「防災」ではなく「災害対応」という取り組みを進めなければと考えています。
このような環境の中で、本日の講座でも「災害が来たらどのような行動をとるか」ということをテーマにしてイメージトレーニングをしてもらいました。
5月8日 10時、自宅にいた・・・という想定で「東京湾北部地震」が発災した・・・そのときにあなたは10秒後、20秒後、30秒後、1分後、2分後、3分後・・・1時間後、2時間後・・・・5時間後・・・どのような行動をとりますか・・・ということを記入用紙に書き出してもらいました。
参加者の方の多くの方は、私たちが何を言っているかイメージがわかないようでした。
地震が来たときあなたはどのような行動をとりますか? 書き出してください???
「???」
「わからない」
「・・・・・????」
教室の中は「しーーーん」としてしまいました。
しばらくすると何人の方が 独り言を言いながら書き出し始めました。「ドアを開ける」「ガスの元栓を締める」「逃げる」「電話をする」「火事を消す」ナドナド・・・
約20分間 少しずつイメージが沸いてきたようです。このイメージが浮かぶということが大切なのです。
ふと一人の参加者が「質問があります」「イメージは浮かぶので書き出すことは出来るが、その通り行動できるかは自信がない・・・・どうしたらよいのか?」という質問でした。
この質問はイメージトレーニングにとって大切なことなのです。答えは後で言いますとしました。
思わず「ニンマリ」しました。
本当は、じっくりと目黒巻のこの問題に取り組むと良いのですがこれもまた難しいのですね。
災害対応の活動に取り組んでいる人を対象とした講座であれば突き詰めて進める必要があるのでしょうが市民講座の場ではさらっとするしかないのですね。
約20分のシンキングタイムの後、まとめに入りました。基本的には、災害が起きた後を3分、3時間、3日間というステージで考え、整理して備えましょうというのが私たちの活動の基本です。 最初の3分は、全てが自分と家族のことのみ・・・つまり「自助」の世界です。
次の3時間は身近な周囲の問題、現象に取り組む・・・最初の共助の世界です。
そして、その共助の輪を広げながら3日間、地域で力を助け合いながら公助の支援を待つということになります。このことについて説明をしてとりまとめをしました。
そこで先ほどの「身体がついていかない」という質問について話をさせていただきました。
確かにそうだと思います。しかし、「考えることが出来る力」つまり「イメージ力」が地域では大切なのです。きちんとした災害対応のイメージを作れる人は「指示を出せる人」つまり「リーダー」の素質がある人なのです。年齢相応の人生を歩んできた人にはそれなりの経験があるのです。その経験こそが災害の中を生き抜くことが出来る力なのです。的確な判断が出来れば地域をまとめることが出来るのです。そんなことを話させていただきました。
災害が起きたとき一番怖いことは「パニック」です。たった一人の人の何気ない行動が大きなパニックの引き金になってしまった例はたくさんあります。そんなときに、誰か一人が「落ち着いて!!」と大きな声で周囲の人々の心をまとめることが出来れば被害は少なくなると思います。この声を出せる人材が地域に点在していれば発災後の地域の対応力は大きく変わってくると思っています。そのために、地域の災害対応力の向上が必要だと考え私たちの活動の原動力になっているのです。
万が一のときの自分の行動をこのようなイメージトレーニングを通じて思い浮かべて、整理し、書き出す・・・そして、その手順を確認しあっておく・・・・このことはいざというときの行動のもとになるといわれています。たとえば、旅行先の旅館に着いたらイメージトレーニングをしておけば当然のこと、非常口、避難通路の確認という行動につながるはずです。また、どこかに買い物に出かけたときに「今、ここで地震が起こったら・・・」というイメージを思い浮かべれば自分の居場所の確認や方向感覚を研ぎ済ませられるはずです。
このようにして自らの命を守る習慣の積み重ねが「自助」につながるのだと思います。
最後に講座の中で参加者の方々が地域のつながりが弱くなってきている。自治会の加入率も低くなって心配だ。自治会に未加入の人はどうなるのか・・・という話がありましたので次のようにお話をさせていただきました。
災害の時には加入とか未加入とかということはまったく関係なくなると思います。要は「お隣様」「ご近所の人々」という関係が基本だと思います。この考え方で行けば助けやすい人から助けてゆくことになるのではないでしょうか・・・と そのときに選別は出来ないはずです・・・
講座が終わって 炊き出された非常食と、特製の「味噌汁」、Oさんの手作りの漬物で食事をしました。やはり食べ物はその場にいる人々を和やかにしますね。
お手伝いいただいたZSVNのメンバーの方々お疲れ様でした。