6月19日(土曜日)、20日(日曜日)にかけて、22年度第1回目の「災害避難所宿泊体験塾」が行われました。この日は、あいにくサッカーワールドカップ大会の日本VSオランダ戦の試合日とぶつかり参加者の募集も思うように伸びませんでしたが、そんな中、メンバーのPR活動もあり33名の市民の方々が参加してくださいました。
何よりも、心強く感じましたのは心身障がいを持たれた家族の方々が仲間の方々を誘って参加してくれたことです。市内には身体、心身に障がいを持った方々がおります。災害という事態は、健常者すら被害を受けて要支援者となる危険があります。そのような中、普段から不自由な生活をされている方々は更なる試練に立ち向かうことになることが予想されます。
このようなときでも大事なことは、受身ではなく自らが、仲間と手をつないで災害の中で生活をしてゆこうとする勇気だと思うのです。誰かがやってくれるだろう・・・というなんとなくそう思うのは普通の感覚ですが、残念なことに災害というのはそのような普通に感覚を越えてしまうことが起きてしまうことなのですね。
また、高校生や中学生も参加してくれました。彼らはこのイベントを企画運営しているざま災害ボランティアネットワークのメンバーに比べたら気が遠くなるほど若い世代です。ということは、未来への希望と同量の災害への遭遇率も高いのです。若い彼らがこのようなイベント中から災害に対することに興味を持ってくれればと思いました。
定刻よりもやや早めの13時40分開会式がスタートしました。
座間市自治会連絡協議会(自連協)の会長は所用でで参加できなかったので自連協の防災担当役のFさんの挨拶からスタートしました。ご自身の災害体験などや、日常の地域活動の中での災害対応についての考え方を交えた挨拶をいただきました。
続いて、座間市安全対策課課長の挨拶、施設管理者の入谷小学校長の挨拶をいただきました。私たちざま災害ボランティアネットワークの田中代表の開会宣言で「宿泊体験塾」はスタートしました。
最初の科目は、「私たちを取り巻く災害環境」というテーマで、阪神淡路大震災の記録集の中から地震災害の概要をDVDで見てもらいました。
そして、日常の中自然災害である「地震」がどの程度の危険度合いを持っているのか、座間市自体地震が起きてしまったらどのような被害が発生するのか21年度神奈川県が公表した市町地震別被害状況見込みの資料を整理した資料を使って説明をしました。
公表された被害見積もりに対して私たちが住んでいる座間市の災害対策の実態・・・特に、今回の主要テーマである「災害避難所」の対策がどのように講じられているのかについて話をしました。参加した多くの市民の方々は、避難所は発災と同時に座間市が開設してくれて避難者を迎え入れてくれると思っていたようでした。座間市の実態はまだまだ不十分であることを話をさせていただきました。何よりも、要援護者に対する対策がほとんど採られていないことをお話させていただきました。
次いで「発災後の3:3:3」をキーワードとしたワークショップに移りました。
このような講座では講師の話を聞くだけでは疲れてしまいます。ワークショップは受講者が自らの意思でテーマに対して発言をして一定の方向へ進めてゆく学習法です。
参加者を2つのグループに分けました。
テーマの最初は、地震災害が起きた直後の3分間、あなた自身が取るであろう行動について書き出しをしてもらいました。続いて3時間後の行動、そして3日間の行動について考えて自分の意見をポストイットに書き出し、メンバーの前に張り出し意見の交換を行いました。
意外と書き出せないもののようです。中学生は「うーーん」とうなって止まってしまったようでしたが、場に慣れてくると意見を言っていたようです。
普段は、災害が来たらどうしようという大まかなことでしか考えないのですが、現実には時々刻々と状況は変わってゆくのです。そのためには、発災してからを時間経過で括って考えることが大事なことを理解してもらえたようでした。
ここで、座学はいったん終了し、現実の避難所での必要な事柄を実技で体験してもらいました。
最初は、なんと言っても「食べる」ことの問題です。そこで、今日の夕ご飯を作ることにしました。取り出されたのが、座間市が備蓄品として保管している「アルファー化米」による夕食の準備作業です。50食分のアルファー化米にお湯を入れて封をして約30分間置いておくだけで「五目飯」が出来上がります。皆さん興味津々で見ていました。
ご飯を蒸している間に、避難所で必要となる課題の解決策を体験してもらいました。
何よりも気になることは、プライバシーの保護の問題です。男女、あらゆる年齢層の人々が集まってくる避難所です。その中でも、おむつの交換、衣服の交換、授乳、トイレなど他人の目を避けてやることが多くあります。そのようなときに必要となる簡単な個室を作る体験をしました。
大判のブルーシート、伸び縮みできる物干し竿、細引き、ガムテープなどを使って大型の三角テントを作りました。このような、テントが避難所の中にいくつか準備されれば安心できると思います。
次いで、寝るときに他人の目から遮蔽するための「パーテーション」の組み立てを体験しました。ダンボール製の板とプラスチック製のジョイントをうなぎ合わせて高さ1メートル程度の空間を作るものです。しかし、避難所が開設されある程度落ち着いて来た段階でないと使えないものです。
そのほか、プラスッチック製のペール缶を使った非常用トイレについても組み立て座ってもらいました。
このような実技を体験しているうちにご飯が出来たようです。
炊き出しセットに付属している容器にご飯を入れて配食準備が完了しました。参加者全員で夕食を食べました。初めて、この食事を食べる人も多いようでしたがおおむね好評なようでした。
18時30分 日帰り参加者の方はここで終了となりアンケートにご協力をいただき三々五々と帰ってゆきました。ご苦労様でした。
宿泊体験者は、ZSVNメンバーを含めて約30名の人が体育館に残りました。しばし、休憩です。
19時からは今回初めて実施するあたらしい訓練ツール「災害避難所受入ゲーム」通称「HUG」と呼ばれるものを行いました。午後のワークショップと同様に、2チームに分かれて取り組んでいただきました。
このゲームは、実際に災害が起きてしまったときにその場に居合わせた市民の人々が中心となって「災害避難所」を開設して運営してゆくプロセスをいくつかの事例でチーム全体で考えて受け入れてゆくものです。
避難民は、カードにそれぞれの条件が書かれています。例えば、入谷2丁目の水島さん(65歳)が地震の被害で家屋が半壊してしまってそのまま住むことができないので夫婦で避難所へ避難してきた。奥様は足に怪我をしている・・・・というカードがメンバーの皆さんに読み上げられます。すると、チームのメンバーは、その条件から体育館のどの場所に座ってもらえばよいのかということを決めてゆきます。次から次へと読み手の人は情報カードを読み上げてゆきます。それを受けて、受け入れ係りの人は割りつけを行うことになります。当然避難所ですので、避難民の背後にはさまざまな厳しい現実があります。それらを参加したメンバー全員で協議して配置することになります。
子どもをつれた避難民、高齢世帯で老々介護状態の世帯、インフルエンザの疑いのある避難者などがあります。
こうしてゲームを進めているうちに災害対策本部からも、避難所に対してさまざまな用件を言ってきます。例えば、「明日自衛隊が入浴施設開のための資機材を持ってその避難所に設営する。校庭のどの場所に配置するか?協議して決めておいてくれ」というような「イベント情報」というようなものも出てきます。
すると、チーム全員で校庭の地図をにらんで決めることになります。その結果は、全て記録係りが記録とってゆくことになります。
避難所の中での配置を決めるということは非常に重要なことなのです。各人が受けたダメージによっっても、住んでいるコミュニティーとのつながりを断ち切らないことも配慮しなければなりません。
約1時間30分間 参加者全員で意見を言い合いながら配意を決めました。
終了に当たって、これはゲームだから考える余裕があります。現実には生身の被災者が目の前に立って助けを求めてくるわけです。そのことをイメージすると進行役を勤めた私自身にもうまくまとめてゆける自信がありません。しかし、災害の現場は待ったなしです。参加者の方々に避難所という場所の大変さを体感していただけたら成功だと思いました。お疲れ様でした。
21時30分 科目は全て終わり明朝の朝食の準備作業を行った後、宿泊準備に入りました。体育館は床がコンクリートですので直に寝ることは困難ですので体育用のマットを床に敷いてそのうえに寝床を作ってもらいました。現実の場では、一人2平方メートルというスペースです。
寝床にちょっとした身の回りの荷物を置いたらおしまい・・・というほどのスペースしかありません。22時 消灯となりました。
蒸し暑い夜でしたがそれでも夜半を過ぎると気温が下がって来ました。3時少し過ぎに学校で飼育している鶏が起きはじめてしまって迷惑な話でしたが多くの参加者の方は熟睡されたようでした。
ZSVNのメンバーは5時にはお湯を沸かして朝食の準備を始めました。昨晩個々人が準備した炊飯袋をボイルして朝食準備にかかりました。
6時起床。起床と同時に寝具として使ったマット類を倉庫へ片付けて洗面を済ませ朝食準備です。すでに、炊飯袋の中のご飯はおいしそうに炊き上がっています。
液体味噌+せんべいのかけら+刻み海苔で暖かな味噌汁が出来上がりました。
朝食のおかずは、色とりどりの「ふりかけ」でした。
朝食を済ませて、是認揃っての「ふりかえり」を行いました。
この体験塾が役に立ったのか、体験を通じて何を感じ、行政に不足しているもの、自分たちに不足しているもの、地域でつなぎあわなければならないことなどさまざまな意見が出てきました。全体の合意としては、今までは災害避難所というと座間市が開設して市民を受け入れてくれ生活面も面倒を見てくれるものと思っていたがそれはとてもかなわないことであること。まずは地域の人々が自発的に集まって避難所を開設し運営してゆかざるを得ないこと。そのためには、最低限度の手順を避難所のどこかに張り出しておいて欲しいっという意見が出てきました。
最後に、入谷小学校の教頭先生から、学校としても災害時のことを真剣に考えなければならないことを痛感した。計画的に取り組んでゆきたいという挨拶がありました。
1泊2日の短い体験塾でしたが参加した一人ひとりの市民の方々が、災害を自分のこととして考えるきっかけになって欲しいと思いました。
参加した皆様 ご苦労様でした。支援参加してくださいました近隣災害ボランティアネットワークネットの皆様にもお礼を申し上げます。
ZSVNメンバーの方々もお疲れ様でした。
アルバムです。
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